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マイナス金利解除による住宅ローン金利への影響は?不動産売却と金利の関係 | 静岡県の不動産売却ガイド

不動産売却の手引

マイナス金利解除による住宅ローン金利への影響は?不動産売却と金利の関係

不動産売却の手引

公開:2024.05.24 更新:2024.05.24

マイナス金利解除による住宅ローン金利への影響は?不動産売却と金利の関係
画像出典:フォトAC

日本銀行はマイナス金利の解除を決定しました。この決定により、固定金利と変動金利の住宅ローン、それぞれに異なる影響が出ることが予想されます。特に、不動産売却を検討している方々にとっては、金利の動向が売却の成否を左右する重要な要素となります。

不動産売却と金利の関係は?

不動産売却と金利の関係について考えることは、売却を検討している人々にとって非常に重要です。不動産市場は金利の変動によって大きな影響を受けるため、金利の動向を理解しておくことは賢明な決断をするための鍵となります。

◇金利が上がると購入希望者は少なくなる傾向

不動産売却において、金利の動向は非常に重要な要素です。特に、購入希望者の数や行動に大きな影響を与えるため、売却を検討する際には金利の変動に注意を払うことが必要です。金利が上昇すると、住宅ローンの返済額が増加します。

これにより、購入希望者の資金計画が厳しくなり、不動産を購入する意欲が低下します。
例えば、1%の金利上昇は、ローン総額に対する支払い利息を大幅に増加させ、月々の返済負担が重くなるため、多くの購入希望者が予算を見直し、購入を断念する可能性が高まります。

結果として、不動産市場全体で物件の売却が難しくなり、売却価格の引き下げを余儀なくされることがあります。このように、金利の動向を注視することは、不動産売却の成功に直結します。

マイナス金利解除による住宅ローン金利への影響

画像出典先:フォトAC

日本銀行は「2%の物価安定の目標が持続的・安定的に実現していくことが見通せる状況に至った」との判断を示したうえでマイナス金利解除を決定しました。この決定による住宅ローン金利への影響について解説します。

◇固定金利への影響

固定金利の住宅ローンとは、ローン契約時に設定された金利が返済期間中ずっと変わらないタイプのローンです。特に、固定金利はその影響を顕著に受けています。固定金利は、毎月の返済額が一定となり、返済計画が立てやすいというメリットがありますが、マイナス金利政策の解除により、この固定金利も上昇しています。

たとえば、主要な住宅ローンである「フラット35」では、2022年1月の長期固定金利が最低1.30%でしたが、2023年1月には1.68%にまで上がりました。金利が上がると、同じ借入額でも総返済額が大幅に増加するため、購入者が慎重になる傾向があります。


◇変動金利への影響

変動金利は住宅ローンの借入期間中に金利が変わるタイプで、半年ごとに見直されます。日銀が誘導する無担保コールレートは短期金利の参考にされますが、直接的には影響しません。

例えば、三菱UFJ銀行はマイナス金利解除に伴い、円普通預金の金利を上げましたが、短期プライムレートは据え置きました。このため、すぐに住宅ローンの変動金利が上がることはないと考えられます。しかし、今後無担保コールレートがさらに上がると、短期金利も上昇し、将来的に変動金利に影響を与える可能性があります。

変動金利型の住宅ローンには、短期プライムレートに連動するものと、長期プライムレートに連動するものがあります。後者は金利が変動しやすいため、注意が必要です。

金利上昇により不動産価格が下落の理由とその他の影響

金利の上昇は不動産市場に多大な影響を及ぼします。一般的に、住宅ローン金利が上昇すると、借り手の返済負担が増加し、住宅購入のハードルが高くなります。この結果、住宅の需要が減少し、不動産価格が下落する傾向があります。金利上昇の影響はこれだけに留まらず、投資や不動産開発にも影響を与える可能性があります。

◇金利上昇により不動産価格下落の理由

金利の上昇は、借り入れコストを増大させ、返済額が増えるため、購入希望者の負担が大きくなります。この結果、住宅を購入しようとする人々が減少し、需要が低下するのです。

具体的には、金利が1%上昇するだけでも、月々の返済額が大幅に増加し、総返済額も数百万円単位で増えることになります。例えば、4000万円の住宅ローンを金利1.5%で借り入れた場合と、2.5%で借り入れた場合を比較すると、月々の返済額は約2万円の差が生じます。

この差は、購入希望者の購入意欲を大きく削ぎ、結果的に不動産市場全体の需要を冷え込ませます。このように、金利が上昇すると、住宅ローンの返済負担が増えるため、購入希望者は買い控えを行うようになります。これにより、不動産の売却が難しくなり、売主は価格を下げざるを得なくなります。

さらに、金利の上昇が続くと、需要を供給が上回る状態が続き、価格競争が激化して不動産価格がさらに下落する可能性があります。また、金利上昇は不動産投資にも影響を与えます。投資家が不動産を購入する際にも借り入れを行うことが一般的であり、金利が上昇すると投資の利回りが低下します。

この結果、不動産投資の魅力が減少し、投資家は他の高利回りの投資商品に資金を移すことになります。債券や株式などの他の投資先に資金を移すことで、不動産市場から資金が流出し、価格の下落を招くのです。


◇金利上昇の影響

金利の上昇は不動産市場全体にさまざまな影響を与えます。まず、不動産を購入する際の資金調達コストが増加します。建築資材や人件費が上昇するため、不動産開発業者のコストも増え、結果として不動産価格が上昇します。

しかし、この高騰した価格に対して購入希望者が減少するため、売却が難しくなるのです。
また、金利が上昇するとローンの返済額が増加し、キャッシュフローが減少することで、投資家の利回りも悪化します。金利の上昇は不動産投資の収益にも影響を与えます。

例えば、20年ローンで1,500万円を借り入れた場合、金利が0.1%上昇するだけで総返済額が大幅に増加します。これにより、投資物件の収益性が低下し、投資家は不動産以外の投資先に資金を移すことが増えます。これにより、不動産市場から資金が流出し、価格の下落をさらに助長するのです。

しかし、金利上昇は必ずしもデメリットばかりではありません。物価の上昇に伴い、賃金も上昇するため、家賃を値上げできる場合があります。これにより、投資家にとっては長期的に見れば収益が向上する可能性もあります。

住宅ローン金利の今後の予測と不動産売却を左右する様々な要因

金利の上昇は不動産市場に大きな影響を与えますが、不動産取引に影響するものは金利だけではありません。ここでは、変動金利の今後の予測と不動産売却を左右する様々な要因について詳しく解説します。

◇変動型の住宅ローンのルール

変動型の住宅ローンには「5年ルール」と「125%ルール」という保護策があります。5年ルールとは、金利が上昇しても5年間は返済額が変わらないというルールです。125%ルールとは、返済額が増える場合でも、前回の返済額の125%を超えないようにするルールです。これらのルールにより、金利が急上昇した場合でも、返済額の急激な増加を抑えることができます。

ただし、全ての変動型住宅ローンにこれらのルールが適用されるわけではありません。特にネット銀行などでは、これらのルールがない場合もあります。そのため、これらのルールがない場合、返済額が一気に上がる可能性もあります。

現在、変動金利の基準金利は「短期プライムレート」がベースとなっています。短期プライムレートは2009年以降、1.475%に固定されており、日銀の政策金利が変わってもほとんど動いていません。短期プライムレートは企業向けの貸出金利に使われるため、金融機関の利益確保のために一定の水準を維持しています。

日銀がマイナス金利を解除した後も、変動金利が急激に上昇する可能性は低いと考えられています。日銀総裁も「当面、緩和的な金融環境が続く」と述べており、金融機関の貸出金利が大幅に上がることは予想されていません。そのため、現時点では変動金利は低い水準が続くと見られています。

◇不動産売却を左右する様々な要因

金利が上昇すると不動産価格が下落する傾向にありますが、すべての不動産が一律に価格を下げるわけではありません。例えば、マンションや好立地の不動産は金利の影響を受けにくいことが多いです。

これらの物件は需要が高いため、金利の上昇による影響が緩和される傾向があります。金利以外にも、不動産売却に影響を与える要因は多岐にわたります。まず、地域の経済状況や人口動態が重要です。

静岡県のように経済が安定している地域では、不動産価格の下落リスクが比較的低いです。
また、人口が増加しているエリアでは需要が高まり、価格が安定しやすくなります。さらに、周辺のインフラ整備や再開発計画も価格に影響を与えます。

新しい商業施設や交通機関の整備が進む地域では、不動産の価値が上昇する可能性があります。また、物件の状態や管理状況も売却価格に影響します。定期的なメンテナンスが行われている物件や最新の設備が整っている物件は高値で売却しやすいです。さらに、売却時期も重要です。市場が活況な時期や買い手の需要が高まるシーズンを狙うことで、より高い価格で売却することが可能です。

総じて、不動産取引を成功させるためには、金利の動向だけでなく、地域の特性や物件の状態、市場のタイミングなど様々な要因を総合的に考慮することが重要です。


不動産売却における金利の関係は非常に重要です。金利の動向は購入希望者の数や行動に大きな影響を与えます。金利が上昇すると住宅ローンの返済額が増え、購入希望者の意欲が低下し、不動産の売却が難しくなります。

また、固定金利と変動金利の住宅ローンそれぞれに異なる影響があります。固定金利はマイナス金利解除により上昇し、変動金利は無担保コールレートの影響を受けやすくなります。金利上昇は、売却価格の引き下げを余儀なくされることがあります。

また、金利上昇は不動産投資の魅力を低下させ、投資家が他の高利回り投資商品に資金を移すこともあります。不動産取引を成功させるためには、金利の動向だけでなく、地域の経済状況や人口動態、インフラ整備、物件の状態、売却時期など様々な要因を総合的に考慮することが重要です。

特にマンションや好立地の不動産は金利の影響を受けにくく、需要が高いため、価格が安定しやすいです。このように、不動産市場で賢明な決断を下すためには、多角的な視点で市場を理解することが求められます。

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