不動産売却時の登記費用とは?必要性と計算例でわかる実際の負担額
公開:2025.01.07 更新:2025.01.07不動産売却時の登記費用には登録免許税と司法書士報酬が含まれます。所有権移転登記では土地1.5%、建物0.3%の税率が適用され、抵当権抹消登記には1000円がかかります。司法書士に依頼する場合、報酬が数万円発生します。
目次
不動産売却時に発生する登記費用とは?
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不動産登記には登録免許税が必要で、専門的な手続きのため司法書士への依頼が一般的です。所有権移転登記や抵当権抹消登記などで発生する費用の負担者は商習慣に基づき、売買契約書で明確に規定されます。
◇登記費用の概要
所有権の移転を行う不動産登記や住宅ローンを締結する際の抵当権の設定には、登録免許税が発生します。登録免許税は、手続きを自身で行う場合にも必要となるため、注意が必要です。
また、手続きを司法書士に依頼して行う場合には、登録免許税に加えて司法書士への報酬を支払う必要があります。不動産登記の手続きは専門性が高く、素人にはとても難しいため、不動産登記を行う際には司法書士への依頼をすることが一般的であるといえるでしょう。
◇登記費用が発生するタイミング
静岡県で不動産売却を行う上で、登記費用は主に所有権移転登記と抵当権抹消登記を行う際に発生します。まず、所有権移転登記とは売買契約や相続によって不動産の所有者が移転したときに行う登記であり、土地と建物それぞれに登録免許税がかかるのが特徴です。
また、抵当権抹消登記とは住宅ローンなどによって土地や建物にかけられていた抵当権を外す登記を指します。これも所有権移転登記と同様に、土地と建物それぞれに登録免許税がかかるのが特徴です。
◇登記費用の負担
登録免許税法第3条では、「登記等を受ける者は、この法律により登録免許税を納める義務がある。この場合において、当該登記等を受ける者が二人以上あるときは、これらの者は連帯して登録免許税を納付する義務を負う。」とされています。
しかし、売買契約書で法律と異なる特約を締結した場合でもその特約は有効であるため、登記費用の負担者は商習慣によってある程度決まっています。特に、不動産売買における登記費用については、抵当権抹消登記の費用は売主が負担し、所有権移転登記の費用は買主が負担することが一般的です。
また、登記費用を売主と買主のどちらが負担するのかについては、トラブルを未然に防ぐために売買契約書に必ず記載されています。
不動産売却時に支払う登記費用の目安
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不動産の登記には登録免許税が必要で、所有権移転登記や抵当権抹消登記にかかる費用が異なります。また、司法書士への依頼には別途報酬が発生しますが、スムーズな取引には不可欠な費用です。
◇登録免許税
所有権移転登記を行う際に発生する登録免許税は、「課税標準価格×税率」で計算されます。この税率は土地と建物ともに2%ですが、令和8年3月31日までの期間、土地は1.5%、建物は0.3%に軽減されます。
例えば、令和7年時点で課税標準価格が土地5000万円、建物5000万円の不動産の場合、所有権移転登記にかかる登録免許税は次のように計算されます。
5000万×1.5%+5000万×0.3%=90万円
抵当権抹消登記を行う際に発生する登録免許税は、不動産1個につき1000円となります。土地付き戸建住宅の場合、土地1個と建物1個にそれぞれ登録免許税がかかるため、合計で2000円となります。
◇司法書士への報酬
所有権移転登記を司法書士に依頼する場合、報酬として5万円〜10万円程度が相場です。また、抵当権抹消登記を司法書士に依頼する場合、手数料は一般的に1.5万円前後となります。
司法書士に依頼することで、書類不備による手続きの遅延を防ぎ、スムーズな取引が可能になります。ただし、数万円単位の費用がかかるため、事前に費用を考慮することが重要です。
登記費用の注意点と費用節約のポイント
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登記手続きを行う際は、書類の有効期限や必要な書類に注意が必要です。費用を抑えるために自身で手続きを行うこともできますが、手続きの複雑さや時間がかかる点に注意が必要です。
◇必要書類の有効期限に注意する
不動産売却時に必要な書類には、売主と買主それぞれが準備するものがあります。売主が用意する書類としては、「登記識別情報通知(登記済権利証)」が対象不動産に関連したものでなければならず、印鑑証明書は発行から3ヶ月以内のものが必要です。
買主が用意する住民票には特に期限はありませんが、固定資産評価証明書は名義変更を行う年度のものである必要があります。また、売買契約書や売買契約の証明書類も必要となります。
これらの書類を適切に準備することで、登記手続きがスムーズに進みますので、十分に確認しておくことが重要です。
◇費用を抑えるなら自身で手続きを行う
登記手続きは通常、司法書士に依頼して行うことが一般的ですが、登記費用を抑えるために自身で手続きを行うことも可能です。この場合、必要書類を揃え、登録免許税を計算し、登記申請書を作成して不備のない書類一式を法務局に提出する必要があります。
ただし、これらを素人が不備なく準備するには時間がかかり、非常に難しいため、費用面ではメリットがある一方で、手続きの複雑さがデメリットとして挙げられます。
司法書士に依頼せず自分で登記手続きをする方法
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所有権移転登記と抵当権抹消手続きは、それぞれ必要な書類を整え、法務局に申請する流れで進めます。手続きには審査があり、不備があった場合には修正が求められます。
◇所有権移転登記の流れ
所有権移転登記を行うには、まず登記事項証明書を取得し、移転する不動産の現在の登記内容を確認します。次に必要書類を準備し、対象不動産を管轄する法務局に申請します。申請後、審査が行われ、問題がなければ法務局から登記完了証と登記識別情報通知書が交付されます。この手続きによって、所有権が正式に移転したことになります。
◇抵当権抹消手続きの流れ
抵当権抹消手続きを行うには、住宅ローンを完済後に届く抵当権解除証書、銀行からの委任状、登記済権利証または登記識別情報通知書が必要です。その後、法務局で登記事項証明書を取得し、不動産情報を確認した上で登記申請書を作成し提出します。
申請者の住所や氏名が申請時点のものと異なる場合、所有権登記名義人表示変更登記が必要です。また、申請書に不備があった場合には法務局から補正の連絡があり、修正する必要があります。書類審査が通過すると、抵当権抹消が完了し、法務局にて受け取り手続きが行われます。
不動産売却時に発生する登記費用には、主に登録免許税と司法書士への報酬があります。登録免許税は所有権移転登記や抵当権抹消登記を行う際に必要で、税率は土地と建物それぞれに適用されます。所有権移転登記の場合、土地は1.5%、建物は0.3%に軽減されており、例えば課税標準価格が5000万円の場合、90万円の費用がかかります。抵当権抹消登記では、不動産1個につき1000円がかかります。
登記手続きは、司法書士に依頼するのが一般的ですが、依頼時には別途報酬が発生します。所有権移転登記の場合、5万〜10万円程度が相場で、抵当権抹消登記の場合、1.5万円前後の手数料がかかります。司法書士に依頼することで、書類不備による遅延を防ぎ、スムーズな取引が可能となりますが、費用が数万円程度かかるため、事前に確認しておくことが重要です。
登記手続きには書類の有効期限に注意が必要です。売主が提供する書類は、登記識別情報通知(登記済権利証)や印鑑証明書があり、印鑑証明書は発行から3ヶ月以内でなければなりません。買主は住民票や固定資産評価証明書を準備します。登記費用を抑えるために自身で手続きを行うことも可能ですが、手続きが複雑で時間がかかるため、専門家に依頼することが一般的です。
所有権移転登記と抵当権抹消登記は、必要書類を整えて法務局に申請することで完了しますが、不備があった場合には補正が求められることがあります。