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不動産売却の媒介契約とは?契約の種類や締結時の注意点 | 静岡県の不動産売却ガイド

不動産売却の手引

不動産売却の媒介契約とは?契約の種類や締結時の注意点

不動産売却の手引

公開:2024.11.24 更新:2024.11.24

不動産売却の媒介契約とは?契約の種類や締結時の注意点
画像出典:photo AC

不動産売却時の媒介契約には一般媒介、専任媒介、専属専任媒介があり、契約内容によって依頼できる不動産会社数や売却方法が異なります。契約前に必要書類を整え、標準契約約款を確認することが重要です。

不動産売却において締結される媒介契約とは

不動産の売買を依頼する際に結ぶ契約を媒介契約と言います。これは、売主と不動産会社の間で依頼内容や条件を明確にし、トラブルを防ぐために必要です。宅地建物取引業法では、媒介契約を締結することが義務とされています。媒介契約書には3種類の契約形態が記載されます。

◇そもそも媒介契約とは?

媒介契約とは、不動産の売買を不動産会社に依頼する際に交わす契約です。売主と不動産会社の間で、依頼内容や条件をしっかりと確認するために結ばれます。これにより、売買の仲介業務に関するトラブルを防ぐことができます。この契約は、宅地建物取引業法第34条の2により、不動産会社に締結が義務付けられています。

媒介契約書は、国土交通省が定めた標準媒介契約約款を元に作成され、多くの不動産会社がこれを使っています。契約書には、一般媒介、専任媒介、専属専任媒介のいずれかの契約が記載され、選択できます。また、物件情報を「指定流通機構(レインズ)」に登録する義務がある場合や、その登録期限も定められています。

契約に基づいて、不動産会社は売主に仲介業務の進捗を報告する義務があり、報告の頻度や方法は契約の種類によって異なります。業務報告は、文書や電子メールで行うことが一般的です。また、契約の有効期間は基本的に3ヶ月以内で、更新することも可能です。報酬に関しては、売買契約成立時に請求され、媒介契約の種類による違いはありません。

◇媒介契約の種類

媒介契約には3つの種類があり、それぞれの内容に違いがあります。最も大きな違いは、不動産会社への依頼を1社に絞るか複数社に依頼するかという点です。この選択が、売却のスピードや手間に影響を与えるため、契約を選ぶ際には慎重に考慮する必要があります。

一般媒介契約は、3種類の契約の中で最も自由度が高い契約形態です。他の2つとは異なり、複数の不動産業者に仲介を依頼できます。この契約は、物件を広く公開せず、高値で売却したい場合に向いています。一般媒介契約では、レインズへの登録義務がないため、売却情報を広く知られたくない場合にも有利です。

専属専任媒介契約では、売却を依頼する不動産会社を1社に限定し、自分で見つけた買主と契約することはできません。この契約は、売却が難しい物件を早急に売りたい場合や、業者とのやり取りの手間を省きたい場合におすすめです。

専任媒介契約は、不動産会社を1社に限定しながらも、自分で見つけた買主と契約することが可能です。この契約は、売却が難しい物件をできるだけ早く売りたい場合や、知人や関係者に購入を検討してもらいたい場合に向いています。

不動産売却の媒介契約で生じる疑問

引用元:photo AC

媒介契約に伴う主な費用は「仲介手数料」で、これは不動産会社が売買契約を成立させた際に受け取る成功報酬型の費用です。仲介手数料が発生するには、媒介契約が成立していること、不動産会社が実際に仲介行為を行っていること、売買契約が成立していることの3つの条件が必要です。これらが整わない限り、手数料の請求は行われません。

◇媒介契約の種類によって手数料は違う?

仲介手数料は、媒介契約の種類によって異なることはありません。一般媒介契約、専任媒介契約、専属専任媒介契約いずれの場合でも、手数料の金額は変わらず、上限額は法律で一律に定められています。これにより、契約形態によって料金が変動することはなく、着手金や前金も不要です。売買契約が成立した場合にのみ、成功報酬として手数料が支払われます。

◇媒介契約の中途解約はできる?

売主が一方的に媒介契約を解除するのは難しく、法律や契約書に解除方法が明記されていないことが一般的です。しかし、専任媒介契約や専属専任媒介契約は通常3ヶ月で終了し、その期間を過ぎると契約は自動的に解除されます。それでも、信頼できる不動産会社であれば、契約解除にも応じることが多いです。ただし、売主が強く不信感を抱いている場合、成約を望まないと決めた場合には、買主が現れても売却を避けることも可能です。

◇媒介契約で違約金は発生する?

媒介契約には、一般媒介契約、専任媒介契約、専属専任媒介契約の3種類があり、それぞれで違約金の取り決めが異なります。一般媒介契約では複数の不動産会社に依頼できますが、専任媒介契約と専属専任媒介契約では1社に限定され、違約金が発生することがあります。専任媒介契約では他社への依頼が違反となり、専属専任媒介契約では自己発見取引も契約違反になります。

また、一般媒介契約には「明示型」と「非明示型」があり、明示型では他の不動産会社に依頼した場合、その会社名を明示する必要があります。この義務を怠ると、契約違反として違約金が請求されることがあります。違約金の額は、通常、報酬額を上限として請求されることが多いです。

状況別おすすめの媒介契約の種類

売却を考えている物件に適した媒介契約を選ぶことが重要です。物件の特徴や売却を急ぐかどうかによって、選ぶべき契約が異なります。

◇買い手が見つけやすい物件を売却する

買い手が見つけやすい物件には、一般媒介契約が適しています。人気エリアや築年数が浅い物件、駅近の物件などは、広く宣伝しやすく、一般媒介契約を結ぶことで複数の不動産会社に依頼し、早期に売却を進めることができます。

◇できるだけ早く売却したい

売却を急いでいる場合には、専属専任媒介契約を選ぶとよいでしょう。専属専任媒介契約は、売却が難しい物件や急いで売りたい場合に有効です。不動産会社が積極的に販売活動を行い、頻繁に進捗報告をしてくれるため、早期の売却が期待できます。

◇媒介契約の選択に迷っている場合

契約で迷った場合、専任媒介契約がオススメです。この契約では、1社に依頼することになりますが、不動産会社が専念して売却活動を行うため、希望価格に近い条件で売れる可能性が高くなります。また、自己発見取引が可能なので、自分で買主を見つけた場合にも契約が成立します。信頼できる不動産会社を選ぶことが大切です。

媒介契約に必要な書類と締結時の注意点

媒介契約を結ぶ際には、必要書類を事前に準備しておくことが大切です。書類を揃えることでスムーズに契約が進みます。

◇媒介契約に必要となる書類を揃えておく

媒介契約を締結するためには、印鑑(シャチハタは不可、三文判や認め印で可)と、運転免許証などの本人確認書類が必要です。これは詐欺防止のため、所有者確認が厳格化されているためです。また、住宅ローンの残債を確認するために返済予定表や年末残高証明書も重要で、売却価格や手取り額を把握するための参考になります。

さらに、不動産の所有権を証明する登記済証や登記識別情報も必要です。これらが紛失している場合は、司法書士に相談して再発行を依頼する必要があります。間取り図や測量図面があると不動産会社が販売活動を進めやすくなりますが、必ずしも必要ではありません。購入時の契約書や重要事項説明書があれば、手続きが簡単に進みますが、これがなくても問題ありません。

◇締結する前に必ず契約内容を確認

媒介契約を結ぶ際は、「標準媒介契約約款」を確認することが重要です。標準約款には、媒介契約において取り決めるべき基本的な内容が記載されており、消費者を不利な契約から守るための役割を担っています。契約前にその概要を把握し、不明点を明確にしておくことが大切です。

また、標準約款に記載されていない特別な条件があれば、それを追記して契約内容をさらに明確にすることが望ましいです。国土交通省も、依頼者が不利益を被らないように、必要な事項を標準約款に追記することを推奨しています。


不動産売却時に結ぶ媒介契約は、売主と不動産会社間で依頼内容や条件を明確にし、トラブルを防ぐために必要な契約です。契約には3種類あり、一般媒介契約、専任媒介契約、専属専任媒介契約があります。一般媒介契約は複数の不動産会社に依頼でき、自由度が高い一方、専任媒介契約や専属専任媒介契約は1社に依頼することが求められます。専属専任媒介契約では、自分で買主を見つけることはできませんが、専任媒介契約では可能です。

仲介手数料は売買契約成立時に請求され、契約形態によって金額は変わりません。また、媒介契約を解除する場合は、期間終了後に自動的に解除されることが多く、信頼できる不動産会社であれば解除に応じることもあります。違約金は契約内容によって異なり、一般媒介契約では他社に依頼する場合に明示義務が生じます。

売却を急ぐ場合には専属専任媒介契約が推奨され、早期の売却が期待できます。買い手が見つけやすい物件には一般媒介契約が向いており、物件の特徴に応じた契約選択が重要です。

媒介契約を結ぶ際には、必要書類を準備することが大切です。印鑑や本人確認書類、登記済証、間取り図などが必要です。また、契約前に「標準媒介契約約款」を確認し、契約内容を明確にしておくことが求められます。

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