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不動産の任意売却とは?任意売却で得られる効果と手続きの流れ | 静岡県の不動産売却ガイド

不動産売却の手引

不動産の任意売却とは?任意売却で得られる効果と手続きの流れ

不動産売却の手引

公開:2024.12.25 更新:2024.12.25

不動産の任意売却とは?任意売却で得られる効果と手続きの流れ
画像出典:PhotoAC

住宅ローンが支払えなくなった場合、任意売却という選択肢があります。任意売却は、住宅ローンの滞納により返済が困難になった場合に、不動産を債権者の合意を得て市場価格で売却する方法です。競売との違いは、任意売却が市場価格に近い価格で売却されるため、債権者が多くの返済を受けられ、債務者も残債務を減らせるメリットがあります。また、任意売却では引越し費用の確保や、売主の意向に沿った柔軟な対応が可能です。

任意売却の流れは、まず住宅ローンの滞納が始まると銀行から督促が届き、早めに不動産会社と契約して売却手続きを進めます。その後、債権者と合意を得て物件を市場に出し、購入者が決まれば売買契約を結びます。売却代金でローンを完済し、引き渡しと引越しを行うことになります。

ただし、任意売却は金銭面での滞納が前提であり、税金の滞納がある場合は注意が必要です。税金未納分が回収のため差し押さえられることがあり、その場合、売却金でローンと税金の両方を完済することが求められます。

住宅ローンが支払えなくなった際に検討できる任意売却とは

静岡県で住宅を購入したが住宅ローンの支払いが難しくなったなどの場合、任意売却という選択肢があるのをご存知でしょうか。任意売却の仕組みやメリット・デメリットを詳しく紹介します。

◇任意売却とは何か 

任意売却とは、住宅ローンの返済が困難になった場合に、担保となっている不動産を債権者全員の合意を得て市場価格で売却する方法です。

似た売却方法に競売がありますが、競売は裁判所が売却を主導し、売却方法や条件なども裁判所が決定します。不動産は一般的に市場価格よりも2~3割低い価格で落札されることが多く、債権者が債務を回収する一方で、債務者には残債務が残るケースが少なくありません。

一方、任意売却では市場価格に近い金額で売却できるのが特徴です。このため、債権者はより多くの返済を受けることができ、債務者にとっても残債務を大幅に減らせるメリットがあります。また、任意売却は競売と比べて柔軟な条件で売却できるため、引越し費用を確保することも可能です。

◇通常の不動産売却との違い 

任意売却は債務整理と混同されがちですが、実際には不動産の売買であり、不動産会社が仲介する形で進められます。

一般的な売却も広義では「任意売却」に含まれますが、住宅ローンの返済が難しく、不動産を売却しても担保が抹消できない場合には通常の売買はできません。そのため、このようなケースでは、債権者の合意を得たうえで、市場価格に近い条件で不動産を売却する必要があります。

住宅ローンが払えなくなって競売にかけられるとどうなる?

裁判所
画像出典:PhotoAC

住宅ローンの返済が難しくなり、競売にかけられると、自宅を失うだけでなく、その後の生活にも大きな影響を及ぼす可能性があります。競売に至った場合に具体的に何が起こるのかを解説します。

◇住宅ローンが払えなくなってからの流れ

住宅ローンが払えない状況に陥ると、「家を手放さなければならないのでは」と不安になります。しかし、競売に至るまでには一定の流れと猶予期間があります。

以下は、返済の滞納から競売に至るまでの一般的な流れです。

1. 滞納1か月前後
銀行から督促状が送られ、返済を求められます。この段階ではまだ分割返済の猶予が残されています。

2. 滞納2~3か月
督促状や催告書が再度送付され、電話での催促も開始されます。返済計画の再検討が求められる時期です。

3. 滞納5~6か月程度
「期限の利益の損失予告通知」や「代位弁済予告通知」といった書類が届きます。この通知は、分割返済の権利を失い、滞納分を一括返済しなければならない状況になる前触れです。

6か月以上滞納すると、保証会社が代位弁済を行い、借主に一括返済を求める形になります。この段階で信用情報に傷がつき(いわゆるブラックリスト入り)、競売手続きが開始されます。

4. 滞納8~9か月程度
保証会社が裁判所に競売を申し立て、差し押さえ通知書や競売開始決定通知書が借主に届きます。競売が現実味を帯びてくる時期です。

5. 滞納10~11か月程度
裁判所の執行官が現況調査を行い、不動産の価値や状況を調査します。

6. 滞納13~16か月程度
競売の期間入札通知書が届き、入札が行われます。競売が成立すると、最終的に家を退去する必要が生じ、強制立ち退きが求められることもあります。

◇競売にかけられると売却額は安くなる

競売にかけられると、以下のような問題が発生する可能性があります。

引っ越し時期が調整できない

通常の売却では、買主との合意に基づき引っ越し時期を調整できますが、競売では落札後に速やかな退去が求められます。所有権が移転した後も居住を続けると不法占拠と見なされ、強制退去が行われることがあります。この際、大勢の作業員が家に押し入り、荷物を運び出すことがあり、非常に困難な状況となることもあるため、注意が必要です。

周囲に知られるリスクがある

競売物件の情報は裁判所やインターネットで公開されるため、購入希望者や不動産会社が物件の下見に訪れたり、近隣住民が状況を尋ねることがあります。その結果、競売の事実が周囲に知られ、噂が立つ可能性があります。また、強制退去が行われる場合には、さらに多くの人目を引き、周囲に大きな影響を与えることがあります。

市場価格の6~7割で売却される

競売では、通常、市場価格よりも6~7割安い金額で取引されることが多いです。準備や調査が不十分な場合が多く、購入者にリスクが伴うため、安価で取引されることが一般的です。また、申立手数料や予納金など、約100万円の費用が債務者に請求されることがあります。

もし競売で得られた売却額が債務を完済する金額に満たなければ、残りの債務を返済し続ける必要があります。

任意売却なら競売よりも好条件での不動産売却が可能

任意売却は、競売に比べて不動産をより高い価格で売却できる可能性があり、債務者にとって有利な選択肢となります。

◇競売よりも売却価格が高くなる可能性が高まる

任意売却は市場に出して販売されるため、競売よりも高い価格で売れる可能性が高くなります。競売では内覧ができないうえ、売却期間が短いため、買い手が見つかりにくく、一般的に市場価格の6~7割程度で取引されることが多いです。

一方、任意売却では通常の売却手続きが進められるため、市場価格に近い価格での売却が期待でき、これによって残債務を減らすことができ、返済負担も軽減されます。

◇売主の意思が反映される

競売では裁判所が主導して進めるため、売主の意向を反映させることができません。代金が支払われた後、すぐに所有権が移転し、退去が求められることになります。このまま住み続ければ不法占拠となり、強制退去が命じられる可能性もあります。

しかし、任意売却では引っ越し期日を調整することができ、売主の事情に配慮した柔軟な対応が可能です。

◇近隣住民に事情を知られずに売却できる

任意売却は通常の売却と同じ手続きで進むため、近隣に売却の事情が知られるリスクが低く、プライバシーが守られます。一方、競売では不動産情報が裁判所やインターネットで公開されるため、入札が行われることや競売の事実が近隣に知られる可能性が高く、プライバシーが侵害される恐れがあります。

事前に確認!任意売却の大まかな流れと注意点

任意売却を検討する際、事前にその流れや注意点を理解しておくことが重要です。任意売却は通常の不動産売却と異なり、債権者との合意や手続きが必要なため、しっかりとした準備が求められます。

◇任意売却の流れ

任意売却は、住宅ローンが払えなくなった際に検討される売却方法で、競売を回避しつつ債務負担を軽減する手段です。

以下、任意売却の具体的な流れを詳しく解説します。

Step1:住宅ローンの滞納

住宅ローンの返済が滞ると、まず金融機関から督促の電話や通知が届きます。この段階で支払いが難しい場合、早めに任意売却を検討することが重要です。競売が始まる前に、早期の対応をすることで、より良い条件での売却が可能になります。

Step2:不動産会社と媒介契約の締結

任意売却を進めるには、不動産会社との媒介契約が必要です。媒介契約には次の3種類があります。

・専属専任媒介契約:1社にのみ依頼可能、1週間に1回の報告義務あり。
・専任媒介契約:1社にのみ依頼可能、2週間に1回の報告義務あり。
・一般媒介契約:複数社に依頼可能、報告義務なし。

Step3:債権者から任意売却の合意を得る

金融機関や債権者と任意売却に関する合意を取り付けます。この交渉は、専門知識と経験が必要なため、不動産会社のサポートが重要です。債権者の理解と合意を得ることで、競売を避けることができます。

Step4:販売活動と売買契約の締結

任意売却物件も通常の不動産売却と同様に広告を出し、販売活動を行います。しかし、「任意売却」と明記されることはなく、売却の事情が購入希望者に知られることはありません。購入者が決定したら、正式に不動産売買契約を締結します。

Step5:引き渡し・引っ越し

売却代金で住宅ローンを完済し、抵当権を抹消します。引き渡しと同時に引っ越しを行う必要がありますが、不動産会社が引っ越し費用の相談に応じることもあります。もし売却額で完済できない場合、残債務はサービサー(債権回収会社)への分割返済が求められることがあります。

◇任意売却の注意点

任意売却は、住宅ローンの返済が滞り、不動産を売却してその代金でローンを返済する必要がある場合に認められる手続きです。つまり、ローンの滞納理由が金銭的な問題であることが前提となります。もし滞納の理由が金銭面以外のものであれば、任意売却は実施できません。

また、税金の滞納がある場合には注意が必要です。地方自治体が未納税金を回収するために物件を差し押さえることがあります。この場合、税金の支払いもローン滞納と並行して求められるため、任意売却で得た売却金で、ローンと税金の両方を完済できるかが大きなポイントになります。

任意売却を進める際は、売却金額でこれらすべての滞納分を完済できるかを事前に確認し、慎重に計画を立てることが重要です。


住宅ローンが支払えなくなった場合に選べる方法のひとつに、任意売却があります。この方法は、返済が難しくなったときに、不動産を市場価格に近い価格で売却することで、債務の返済を軽減することができます。競売と似たような方法ですが、大きな違いがあります。

競売では裁判所が主導し、売却額は市場価格の6~7割程度にとどまることが一般的です。この場合、売却額で債務が完済できないことが多く、残りの借金を返し続ける必要がある場合もあります。加えて、競売の情報は公開されるため、近隣に知られるリスクもあります。強制退去の際には、居住者が家に住み続けることができず、大勢の作業員による退去作業が行われるため、精神的・肉体的にも非常に大きな負担がかかります。

一方、任意売却では市場価格に近い価格で物件を売却できる可能性が高く、債務者にとって大きなメリットとなります。競売と違い、売主の意思を反映させることができ、引っ越し時期の調整や引越し費用の相談も可能です。さらに、任意売却では物件の売却事情が近隣住民に知られないことが多いため、プライバシーを守ることができます。

任意売却を進めるには、不動産会社と契約を結び、債権者との合意を得る必要があります。この手続きは通常の不動産売却とは異なり、債務整理の一環として進められるため、慎重な計画と専門的な知識が求められます。また、税金の滞納がある場合は、ローンと税金の両方を完済する必要があるため、事前に確認しておくことが大切です。任意売却を検討することで、競売を避け、より良い条件での売却が可能となります。

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