不動産売却時の入金タイミングを徹底解説!契約から引き渡しまでの流れとは
公開:2025.01.14 更新:2025.01.13不動産売却の入金は契約時の手付金と引渡し時の残代金の2回です。入金を早めたい場合は特約を契約書に記載したり、買取でスピーディに現金化可能です。契約時には必要書類を準備し、決済・引渡し時に手続きを進めます。
目次
不動産売却の入金タイミングと流れを解説
不動産売却における入金は、売買契約時と引渡し時の2回に分かれます。それぞれのタイミングと支払い内容を正確に把握することが重要です。以下に流れとポイントを詳しく解説します。
◇入金のタイミングは2回
不動産売却における入金は、一般的に「売買契約時」と「引渡し時」の2回に分かれます。最初の入金は、売買契約を結ぶ際に支払われる「手付金」で、これは売却価格の5〜10%が相場です。手付金は契約成立の証としての役割を持ち、契約解除時には違約金として扱われる場合もあります。契約締結後、現金または銀行振込で手付金が支払われるのが通常です。
次に、物件引渡し時に行われるのが2回目の入金、「残代金」の支払いです。残代金は売却価格から手付金を差し引いた金額で、多くの買主は住宅ローンを利用するため、このタイミングで融資が実行されます。残代金の支払い方法としては銀行振込が主流であり、通常は引渡し当日の14時までに入金確認が行われます。
◇不動産売却の流れと入金のタイミング
不動産売却は、以下のような流れで進みます。まず、不動産会社に査定を依頼し、その後媒介契約を締結します。媒介契約が成立すると物件が広告に掲載され、買主を探します。買主が見つかった段階で売買契約を締結し、この際に1回目の入金である手付金が支払われます。手付金は契約成立の証として現金または振込で支払われるのが一般的です。
次に、物件の決済と引渡しが行われ、名義変更手続きが完了することで売却が完了します。このタイミングで2回目の入金となる残代金が支払われます。残代金の支払いも銀行振込が一般的で、引渡し当日に入金確認を行い、取引が完了します。
入金を早めることは可能?特約の活用方法
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不動産売却の際、入金を早めたい場合は、契約内容の工夫や売却方法の選択によって調整が可能です。以下に仲介と買取の場合について詳しく解説します。
◇仲介の場合は買主と協議
不動産売却で入金を早めたい場合、契約書に特約を記載し、買主と協議することで前倒しが可能になるケースがあります。例えば、「売主と買主の双方が引渡し準備を完了した場合、最短日を引渡し日とする」といった特約を盛り込むことができます。このような取り決めを行えば、決済期日が8月31日でも準備が整い次第、8月20日に前倒しして引渡しを行うことが可能です。
こうした柔軟な対応を取るためには、事前に不動産会社へ相談し、特約を契約書に記載しておくことが重要です。ただし、入金を前倒しするには買主の合意が必要であるため、協議の際に双方の意見をしっかりとすり合わせることが求められます。
◇買取ならよりスピーディに現金化
不動産を買取で売却する場合は、仲介よりも入金が早いのが特徴です。不動産会社が直接買主となるため、買主探しの必要がなく、売買契約から引渡しまでの期間が短縮されます。このため、査定価格に納得すれば迅速に契約を進められ、スピーディに現金化できるのが大きなメリットです。
さらに、買取では内覧対応が不要であり、仲介手数料が発生しない点も魅力です。不動産会社が買主となることで、契約内容や入金スケジュールの調整がしやすくなります。入金を早めたい場合は、不動産会社に事情を伝えることで柔軟に対応してもらえるケースが多いでしょう。
不動産売買契約に向けた準備と当日の流れ
不動産売買契約をスムーズに進めるには、事前の準備と当日の流れの把握が重要です。以下に必要書類や具体的な手続きについて詳しく説明します。
◇不動産売買契約の準備
不動産売買契約を締結する際には、事前に必要な書類を揃えておくことが重要です。必要なものとして、印鑑登録済みの実印、印鑑登録証明書(3ヵ月以内発行)、本人確認書類、登記済証(権利証)または登記識別情報通知などが挙げられます。
実印は売買契約書への押印に使用し、事前に市区町村役所で印鑑登録を済ませておく必要があります。加えて、印鑑登録証明書は本人の印鑑であることを証明する重要な書類で、有効期限が3ヵ月以内である点に注意しましょう。
また、売買契約書には収入印紙を貼付する必要があるため、印紙税額に応じた収入印紙を用意しておきます。本人確認書類としては、運転免許証やマイナンバーカードなどの写真付き公的証明書が必要です。さらに、登記済証は不動産の所有者であることを証明する重要な書類となるため、事前の準備が求められます。必要書類の不足がないよう、事前確認を徹底しましょう。
◇不動産売買契約当日の流れ
不動産売買契約当日は、売主・買主・不動産会社の担当者が集まり、手続きが進められます。まず、宅地建物取引士が買主に対して重要事項の説明を行います。不動産の状況や契約条件に関する詳細な説明があり、双方が十分に理解し納得した上で、次の手続きに移ります。
次に、売買契約書の内容を確認し、問題がなければ売主と買主が署名・押印を行います。この際、1回目の入金となる手付金が買主から売主に支払われます。同時に、売主は仲介手数料の半金を不動産会社に支払うのが一般的です。
これらの手続きが完了すると、契約が正式に成立し、引渡しに向けた準備が開始されます。契約当日は重要な手続きが集中するため、必要書類を事前に揃え、スムーズな進行を心がけましょう。
決済・引き渡しに向けた準備と当日の流れ
不動産の決済・引き渡しに向けては、事前に必要な書類を準備し、当日の流れを理解しておくことが重要です。以下に、準備と当日の手続きについて詳しく説明します。
◇決済・引き渡しの準備
不動産の決済・引き渡しに向けて、必要な書類を整えましょう。主な書類には、登記済証(または登記識別情報)、実印、印鑑証明書、固定資産税納付書などがあります。登記済証や登記識別情報は、所有権移転登記の手続きに必要で、司法書士に提出することになります。
また、固定資産税納付書や公共料金の領収証は、税金や公共料金の精算に使用されます。特にマンションの引き渡し時には、管理規約や建築確認通知書なども準備しておくことが重要です。これらの書類は、事前に不動産会社や司法書士に提出し、確認を受けておくと安心です。専門家にチェックしてもらうことで、当日の書類不足やミスを防ぎ、スムーズに手続きを進めることができます。
◇決済・引き渡し当日の流れ
決済・引き渡し当日は、買主が指定した場所、または住宅ローンを利用する場合は金融機関で行われるのが一般的です。当日は、まず司法書士が売主・買主双方の本人確認を行い、所有権移転登記に必要な書類を確認します。
その後、買主から売主へ残代金が支払われ、住宅ローンを利用する場合はこのタイミングで融資が実行されます。さらに、固定資産税や管理費などの各種精算金のやり取りが行われます。残代金の着金が確認できた時点で、売主は領収書を発行し、買主に渡します。
次に、物件の鍵や取扱説明書などの必要書類を買主に引き渡し、取引が完了します。最後に、司法書士や不動産仲介会社への報酬を支払い、不備がないことを確認して決済手続きが終了します。決済は平日の午前中に行われることが多く、所要時間は1〜1.5時間程度です。
不動産売却における入金は、売買契約時と引渡し時の2回に分かれ、それぞれのタイミングを正確に把握することが大切です。最初の入金は、売買契約時に支払われる手付金で、売却価格の5〜10%が相場です。手付金は契約成立の証として扱われ、契約解除時には違約金として使用されることもあります。次に、物件引渡し時に行われるのが残代金の支払いで、これは売却価格から手付金を引いた額です。多くの場合、買主は住宅ローンを利用して融資が実行され、銀行振込で支払われます。
入金を早めたい場合、契約内容や売却方法を工夫することで調整可能です。仲介で早めの入金を希望する場合、契約書に特約を記載して買主と協議することで前倒しが可能です。特に「引渡し準備が整い次第、引渡しを実施する」といった特約を盛り込むことで、前倒しが可能になります。買取で売却する場合は、物件を不動産会社が直接購入するため、買主探しが不要でスピーディに現金化でき、入金の調整も柔軟に対応してもらえます。
不動産売買契約の際には、実印、印鑑登録証明書、本人確認書類などを準備し、契約当日に必要な書類を忘れずに確認しておくことが重要です。契約書の署名・押印後、手付金が支払われ、正式に契約が成立します。その後、決済と引渡しが行われ、名義変更手続きが完了することで取引が終了します。決済当日には、司法書士が所有権移転登記の手続きや残代金の支払い確認を行い、取引がスムーズに進むように進行します。