都内で不動産売却後に地方移住する注意点や静岡県の支援制度を紹介
公開:2024.10.25 更新:2024.10.25不動産を売却して地方へ移住するケースは、家族構成やライフスタイルの変化、セカンドライフを考慮した選択が背景にあります。広い住環境や自然に囲まれた生活、生活費の節約が地方移住の魅力ですが、離婚や出産、子供の独立後に住み替えを考える場合もあります。
都内の不動産売却では、物件の状況や市場の動向に注意し、需要が高まる時期やライバル物件が増える前に売却を進めることが有利です。また、静岡県への移住支援制度として、就業支援金やリフォーム補助制度が充実しており、移住後の生活をサポートする施策が多く用意されています。
目次
都内での不動産売却後に地方へ移住するケース
不動産を売却して地方に移住するケースは、家族構成やライフスタイルの変化、セカンドライフを見据えた選択が背景にあります。地方では、広い住環境や自然に囲まれた生活、そして生活費の節約が期待できるため、子どもの独立や老後を機に移住を決断する人が増えてきました。
◇離婚でどちらも住居に住まない
離婚する場合は、家を売却するのが一般的であり、売却によって、住宅ローンの返済や財産分与が円滑に進み、経済的な負担が軽減される可能性があります。ただし、売却のタイミングや住宅ローンの残債、名義変更など、さまざまな課題が発生することもあります。離婚前に売却を進めるか、離婚後にゆっくりと売却するかは、慎重な判断が必要です。家という大きな財産を扱う際は、後悔しない選択をすることが大切です。
◇子供が増えたり大きくなったりして家が手狭になる
家を購入した当時は十分な広さだと感じていても、家族が増えたり子どもが成長したりすることで、広い家へ引っ越しを考える家庭も少なくありません。このようなケースでは、不動産業界では「住み替え」と呼ばれる手法が一般的です。現在の家を売却し、新しい住居を購入する流れですが、これをスムーズに進めるためには、売却と購入のタイミングや資金計画を慎重に検討することが不可欠です。
◇子供が独立した後のセカンドライフを踏まえて
セカンドライフを考える際には、年齢と共に体力や収入の変化が起こるため、より快適で利便性の高い住まいが求められます。例えば、バリアフリー仕様の住宅や、総合病院や医療施設が近くにある地域への住み替えは、安心して老後を過ごすための大きなポイントとなります。
また、広い家から小規模で維持費が抑えられる家や、エネルギー効率のよい省エネ住宅に移ることで、老後の経済的負担を軽減することも可能です。
都内から地方へ移住する際に注意したい点
都内から地方への移住は、生活環境が大きく変わるため、事前に注意すべき点がいくつかあります。公共交通機関の少なさや、雇用機会の制限、さらには買い物や医療施設へのアクセスの不便さなどが挙げられます。こうした問題をしっかりと理解し、移住後の生活に備えて準備を整えることが重要です。
◇雇用が少ない
地方では、都会に比べて企業の数が少なく、求人数や職種の選択肢が限られます。特に、IT関連や専門職の求人は少ない傾向があり、希望する職に就けない可能性も少なくありません。
そのため、移住を決断する前に、現地でどのような求人があるかをしっかりと調べ、就職先の見通しを立てることが重要です。また、近年ではテレワークの普及も進んでいるため、リモートでの仕事を視野に入れることも移住を成功させるためのひとつの方法です。
◇給料が下がる可能性が高い
地方では、月給や年収が都会より低く設定されていることが多く、同じ職種や仕事内容でも収入が減る傾向があります。さらに、昇進や昇給のペースが遅かったり、給与の上限が決まっている企業も少なくありません。
そのため、高収入を目指している人にとっては、地方での就職は不利な条件になることが考えられます。移住を決める前に、現地の給与水準やキャリアの見通しをしっかりと確認しておくことが重要です。
◇自家用車が必要不可欠になりやすい
公共交通機関が都会に比べて少なく、路線も限られているため、車がないと生活が不便になることが多いです。買い物や通勤、子どもの送り迎えなど、日常的な移動には自家用車が必要不可欠となる場面が増えます。
ライフスタイルによっては、1世帯で複数台の車を所有する家庭も少なくありません。地方への移住を考える際は、車の購入や維持費も視野に入れておきましょう。
◇買い物が不便
地方では、飲食店やスーパーの数が限られており、買い物が不便に感じる移住者が多いです。都会では徒歩や短時間の移動で店舗に行けるのが一般的ですが、地方では車がないと行けない距離に店舗があることが少なくありません。
また、地方のスーパーでは品揃えが少なく、都会で簡単に手に入る商品が見つからないこともしばしばあります。こうした不便さを解消するため、移住前にその地域の買い物環境を確認し、必要に応じてネット通販の利用も検討するとよいでしょう。
都内の不動産売却に適した時期を考慮しよう
不動産売却する際は、不動産市場の動向や金利、物件の状況など、さまざまな要素が売却価格に影響を与えます。特に、近隣に新しい物件が建つ前や、物件の需要が高まる時期を選ぶことで、より高値での売却が期待できるでしょう。
◇不動産価格が上昇傾向であると高く売れやすい
2024年現在、都内の不動産価格は引き続き上昇傾向にあり、2024年も1都3県すべてでプラスの値を記録しています。住宅地価の対前年変動率は、2022年以降再び上昇を始め、高値での売却が期待できる状況です。
こうした背景には、実需の高まりが関係しており、今後も不動産価格の上昇が続くと予想されています。
◇低金利の時期は住み替えがしやすい
低金利の時期は、ローンの利息負担が少なくなるため、新しい家への住み替えがしやすいのがメリットです。2024年現在、日本の住宅ローン金利は引き続き低水準にあります。
日銀が利上げを始めたとはいえ、他の先進国と比べると依然として金利は低く、住宅購入や住み替えを検討するには有利な状況が続いています。今後の金利動向に注目しつつ、早めに行動することでより有利な条件を得られる可能性があるでしょう。
◇不動産物件自体のタイミングも大切
物件自体のタイミングも非常に重要です。築年数が古くなると市場価値が下がる傾向があるため、一般的に早めの売却が有利になります。
規模修繕が完了した直後は、外観や共用部分がきれいなため、内覧時の印象が良くなり、高評価を得やすくなります。しかし、大規模修繕後は修繕積立金が高くなり、売却しにくくなることもあるため注意が必要です。
◇近隣にライバル物件が建つ前
大規模マンションが次々と完成し、供給過多になることで中古マンションの価格が下落する可能性があります。物件を売却する際は、ライバル物件が増える前に行動することが非常に重要です。
特に「湾岸2024年問題」と呼ばれる、東京都中央区や江東区の湾岸エリアでの大規模マンションの供給増加により、競争が激化し、売却価格が下がるリスクが高まります。
静岡県に移住する場合に利用できる支援制度
静岡県に移住を検討している方に向けて、さまざまな支援制度が用意されています。移住後の就業支援金やテレワーク対応のリフォーム補助、さらには若者や子育て世帯向けの住宅支援など、移住者の生活をサポートする制度が充実しています。
◇静岡県移住・就業支援金制度
静岡県では、東京圏からの移住者を対象に、最大100万円が支給される「静岡県移住・就業支援金制度」を実施しています。この制度は、国や県、市町が共同で行い、就業や起業をした移住者が対象です。
単身移住の場合は60万円、世帯での移住の場合は100万円が支給され、18歳未満の子どもを帯同する場合にはさらに加算されます。移住後1年以内に申請する必要があり、加算額の上限は市町ごとに異なるため、事前に確認が必要です。
◇こどもみらいテレワーク対応リフォーム補助制度
子育て世帯や若者夫婦世帯を対象に、自宅でのテレワーク環境や家事負担を軽減するためのリフォームに対する補助制度を実施しています。補助金額は、リフォーム工事に対して上限10万円(1/2補助)です。
対象となるのは、令和6年4月1日時点で18歳未満の子どもを持つ子育て世帯、または夫婦のいずれかが39歳以下の若者夫婦世帯です。補助は予算がなくなり次第終了となるため、早めの申請が推奨されます。
◇静岡県地方就職学生支援金制度
「静岡県地方就職学生支援金制度」は、東京都内に本部がある大学に通う卒業年度の学生を対象に、静岡県内企業の採用活動に参加するための交通費を支援する制度です。卒業年度の6月1日以降の選考面接や10月1日以降の内定を受ける際の往復交通費が支給され、上限は5,940円となります。
さらに、令和7年度からは、この交通費支援を受けた学生が静岡県に移住する際の引越し費用も支援予定です。対象者は、大学の卒業年度において東京圏内(東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県)のキャンパスに在学し、原則4年以上在籍、かつ東京圏内に継続して居住していることが要件となります。
就業に関する要件もあるため、事前に確認が必要です。
不動産を売却して地方へ移住する理由としては、家族構成やライフスタイルの変化、あるいはセカンドライフを見据えた選択などが一般的です。地方移住の魅力としては、広い住環境、自然に囲まれた生活、生活費の節約が挙げられ、特に子どもが独立した後や、老後を見据えた生活を考える際に移住を決断するケースが増えています。
また、家族が増えて現在の家が手狭になった場合や、離婚を機に不動産を売却することも多く、財産分与や住宅ローンの清算を進めるために住み替えを選ぶ人も少なくありません。離婚後の売却や新しい住居の選択は慎重に進める必要があります。
都内の不動産を売却する際には、市場の動向や物件の状態に注意を払うことが重要です。特に物件需要が高まる時期や近隣にライバル物件が増える前に売却することで、より高値での取引が期待できます。2024年現在、都内の不動産価格は上昇傾向にあり、首都圏全体で高値が維持されています。
この価格上昇の背景には、不動産の需要の高まりがあり、今後もその傾向が続くと予想されています。また、低金利の状況が続いており、住宅ローンの負担が軽減されるため、住み替えや新規購入がしやすい時期となっています。
ただし、地方では雇用機会が都会ほど多くなく、特にIT関連や専門職の求人が少ないため、事前に移住先での就業環境を調べておくことが重要です。また、地方では給与水準が低い場合が多く、同じ職種でも年収が減る可能性があるため、収入面の確認も必要です。
地方移住を成功させるためには、各種支援制度を活用することが有効です。静岡県では、移住者向けに就業支援金やテレワーク対応のリフォーム補助など、移住後の生活をサポートする制度が充実しています。