不動産売却後のふるさと納税がおすすめ?控除上限額と注意点
公開:2024.07.22 更新:2024.07.22ふるさと納税は、寄付で特産品がもらえ、所得税と住民税が控除される制度です。不動産売却で譲渡所得が多いと、控除額が増し節税効果が高まります。寄付先の使い道を指定でき、寄付額の約3割は返礼品に使われ、2,000円を超える部分は税控除対象です。
目次
ふるさと納税とは?
ふるさと納税は、応援したい自治体や返礼品が欲しい自治体に寄付をすることで、寄付金額に応じて所得税と住民税の控除が受けられる制度です。特産品などの魅力的な返礼品がもらえることから人気があります。また、不動産売却で得た譲渡所得が多いほど控除の上限額が上がり、よりお得に利用できる点も特徴です。
この制度では、自分で寄付金の使い道を指定でき、地域の名産品などのお礼の品も受け取ることが可能です。複数の自治体に寄付することが可能で、寄付額の約3割はお礼の品の調達に使用され、残りは指定した使い道に活用されます。
寄付金のうち2,000円を超える部分は、住民税の減額(控除)や所得税の払い戻し(還付)の対象となります。このように、ふるさと納税は地域振興に貢献しながら節税もできる、非常に魅力的な制度です。
◇不動産売却時の節税にふるさと納税がおすすめ
不動産を売却する際にふるさと納税をおすすめする理由は、売却した年に所得が大幅に増加する可能性があるからです。不動産売却による利益は「譲渡所得」として課税されますが、この所得が増えることで、ふるさと納税の控除上限額も増加します。
ふるさと納税を利用することで、寄付を通じて自治体を応援しながら節税効果が高まり、税負担を軽減することが可能です。
特に不動産を売却した年には、所得が大幅に増えるため、ふるさと納税の上限額も増え、より多くの寄付が可能となります。税負担を軽減しつつ、自治体への支援を通じて地域振興にも貢献できます。
不動産売却におけるふるさと納税の控除上限額
静岡県で不動産を売却する際には、ふるさと納税の控除上限額を考慮することが大切です。ふるさと納税は所得に応じて控除が受けられる制度であり、住民税の所得割額や譲渡所得税が控除上限額の計算に影響します。納税者は適切な範囲内で寄付を行うことが可能となります。
◇控除上限額の計算方法
ふるさと納税には控除上限額があるため、寄付をする際にはその範囲内で計算する必要があります。控除上限額の計算方法はまず、個人住民税所得割額と譲渡所得税にかかる住民税を合計し、その合計額に20%を掛けます。
その後、その結果を住民税基本分10%と、所得税率に復興税率1.021を掛けたものを引いた値で割ります。最後に負担分2,000円を加えることで、控除上限額を求めることが可能です。具体的な計算式は以下のとおりです。
控除上限額=(個人住民税所得割額 + 譲渡所得税にかかる住民税) × 20% ÷ {100% – 住民税基本分10% – (所得税率 × 復興税率1.021)} + 負担分2,000円
この計算式を用いることで、ふるさと納税で控除できる額の上限が求められ、その範囲内で寄付を行うことが可能です。
◇住民税所得割額の計算方法
住民税は均等割と所得割の2つで構成されており、所得割は前年の所得を基に計算されます。まず、課税所得金額を求めるために、その年の総収入から必要経費などを差し引いた金額を計算します。これが課税総所得金額です。
次に、この課税所得金額に税率10%を掛けて算出所得割額を求めます。最後に、算出所得割額から調整控除と税額控除を差し引いて最終的な所得割額を計算します。調整控除は税負担を軽減するためのもので、税額控除には配当控除、住宅借入金等特別税額控除、寄附金控除などが含まれています。具体的な計算式は以下のとおりです。
課税所得金額=所得の合計額-所得控除の合計額
算出所得割額=課税所得金額×10%
所得割額=算出所得割額-(調整控除+税額控除)
このようにして、所得割額を求めることが可能です。
不動産売却でふるさと納税を利用するときの注意点とは?
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不動産を売却する際、ふるさと納税を利用する場合は、確定申告を忘れずに行うことが重要です。特に、譲渡所得税の申告と納税が必要な年には確定申告が必須になります。
ただし、サラリーマンで年末調整を受けている方は、ワンストップ特例制度を利用することで、確定申告なしでふるさと納税が可能です。この特例制度は、簡単な手続きで寄付金控除を受けられる便利な制度ですが、不動産を売却した年には譲渡所得税の申告が必要となり、この場合、確定申告を行うとワンストップ特例が無効になります。
そのため、不動産売却を行った年はワンストップ特例を利用せず、確定申告時にふるさと納税(寄付金控除)の申告を忘れないようにしましょう。
ワンストップ特例は、ふるさと納税の寄付金控除を簡単な手続きで確定申告を不要にする制度ですが、利用には一定の条件がありますので事前に確認が必要です。
ふるさと納税は、寄付した自治体から特産品などの返礼品がもらえ、所得税と住民税の控除が受けられる制度です。不動産売却で得た譲渡所得が多い場合、控除の上限額が上がり節税効果が高まります。寄付の使い道を指定でき、複数の自治体に寄付可能で、寄付額の約3割は返礼品の調達に使われます。寄付金の2,000円を超える部分は住民税の減額や所得税の還付の対象です。
ふるさと納税を利用する際は、確定申告を忘れずに行うことが重要で、特に不動産売却時にはワンストップ特例を利用せず、確定申告で寄付金控除を申告する必要があります。